ガクチカMAP - AIで就活の経験を設計する学生向けサービス
就職活動で語れる経験を、3年生になってから探すのではなく、1年生のうちから設計して積み上げるためのサービスを開発しました。「好き」を起点にAIが体験を提案し、その記録を2年分ためて、業界・企業別の自己PRへ変換します。
プロジェクト概要
- 「好き」の入力から、学年と方向性に合わせた体験をAIが提案
- 体験の記録を継続的に蓄積
- 蓄積した記録から、業界・企業別の自己PRを自動生成
- 経験の積み上がりを「地図」として可視化
依頼者の目指した目標と解決したい課題
就職活動で学生が最も困るのは「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)が思いつかない」ことです。これは就活生の悩みとして繰り返し上位に挙がります。
しかし、この悩みの本質は経験がないことではありません。サークルもアルバイトも経験しているのに、「なんとなくこなしていただけ」で、語れる形になっていないことが問題でした。3年生になってから振り返っても、記憶は曖昧で、何を頑張ったのかを再構成できません。
一方で、1年生や2年生の時点では「何をすればいいのか分からない」という別の壁があります。就活で有利になる経験を積みたくても、何が自分に合うのか、どこから手をつければいいのかが見えない。
「何をすればいいか分からない」時期と、「あのとき何をしたか思い出せない」時期が、そのまま繋がってしまっている。 この2つを同時に解くことが、このサービスの目標でした。
開発したシステムの特徴
体験の設計から自己PRへの変換までを、4段階の流れとして設計しました。
- 「好き」を入力する: 「旅行が好き」「SNSをやりたい」「海外に行きたい」といった粒度で構いません。就活を意識した言語化を最初から求めない設計です
- AIが体験を提案する: 学年と方向性の組み合わせから、海外インターン、国内の長期インターン、ビジネスコンテスト、SNS運用、資格取得、ボランティアなどを推薦します
- 体験して記録する: 記録の入力項目を「何が壁だったか」に絞りました。感想文を求めるのではなく、後から自己PRの素材になる情報を、負担の少ない形で集めます
- 自己PRに変換する: 蓄積した記録から、志望する業界・企業に合わせた文章を生成します。文章はSTARフレームワーク(状況・課題・行動・結果)の構造で組み立てます
主要画面は、目標設定のオンボーディング、経験を地図として見せるホーム、次の挑戦を選ぶ体験メニュー一覧、進捗を記録する詳細画面、自己PR生成、そして成長を確認するダッシュボードで構成しています。
「地図」という表現を選んだのは、就活準備が直線的に進むものではないからです。迷ったり寄り道したりしながら進む過程を、そのまま可視化できる比喩として採用しました。
技術的背景
Ruby on Rails 8 をベースに、Slim をテンプレートエンジン、Tailwind CSS をスタイリング、Turbo(Hotwire)を画面遷移に使用しています。JavaScriptフレームワークは導入していません。
このサービスの設計上の要点は、AIに何をさせ、何をさせないかの切り分けです。体験の提案と自己PRの生成はAIが担いますが、その素材となる「何が壁だったか」は本人にしか書けません。AIが体験そのものを代筆してしまえば、面接で話せない文章ができあがるだけです。そのため入力の負担は下げつつ、事実の記録は必ず本人が行う設計としました。
インフラは Fly.io を使用し、アクセスがない間はマシンを停止する構成(scale-to-zero) としています。学生向けサービスは利用時間帯の偏りが大きく、常時起動させる必要が薄いためです。データベースは SQLite を永続ボリュームに置く構成で、アプリケーション本体・キャッシュ・ジョブキュー・WebSocket の4ファイルをまとめて保持しています。小規模なサービスにおいて、運用するミドルウェアを増やさない判断です。
テストは RSpec で構成し、システムテストは Playwright による実ブラウザで実行しています。
解決された問題
学生は、1年生の段階から「次に何をするか」の選択肢を得られるようになりました。そして体験するたびに記録が残るため、3年生になった時点で、振り返るべき素材が既に手元にあります。
「就活の武器を揃えているつもりが、2年後に振り返ると自分の成長が全部記録されている」——この状態を作ることが、サービスの狙いです。
チーム構成
- (KW) プロジェクトマネージャー
- (KW) バックエンドエンジニア
- (KW) フロントエンドエンジニア
(KW) はKaito Wingsが担当
プロジェクト期間
- 企画・体験設計 - 1ヶ月
- 開発・テスト - 4ヶ月
システム構成
- Ruby on Rails 8
- Slim / Tailwind CSS
- Turbo (Hotwire)
- SQLite(永続ボリューム)
- RSpec / Playwright
- Fly.io(scale-to-zero構成)